便秘｜下野市の消化器内科クリニック

「便秘」と一口に言っても、人によって感じ方や症状の程度はさまざまです。

排便の回数が少ないことだけでなく「出しづらい」「すっきり出ない」「お腹が張って苦しい」など、排便そのものに不快感や違和感がある状態も便秘と考えられます。

以下のような症状が続くと便秘と診断されることがあります。

一見すると「たまに便が出ないだけ」と思われるかもしれませんが、慢性的にこうした症状が続く場合、生活の質（QOL）が大きく下がってしまいます。

特に高齢の方や女性に多い傾向がありますが、若い方でもストレスや生活習慣の影響で悩まれる方が増えています。

最も多くみられるタイプで、生活習慣や加齢、運動不足、ストレス、食事の乱れなどが原因で腸の動き（ぜん動運動）が低下してしまうものです。

女性や高齢者に多く、日常生活のちょっとした変化で症状が悪化することがあります。水分不足や朝食抜き、トイレを我慢する習慣も便秘を引き起こしやすい要因です。

大腸がんや腸閉塞、大腸ポリープ、腸のねじれ（腸捻転）など、腸そのものに物理的な異常がある場合に起こる便秘です。

特に「急に便秘になった」「便に血が混じる」「体重が急に減った」などの症状がある場合は、こうした病気が隠れている可能性があります。
早期発見のためにも、検査が必要になります。

服用中のお薬の副作用によって腸の動きが鈍くなることがあります。
たとえば、抗うつ薬、鎮痛剤（オピオイド系）、抗コリン薬、降圧剤、鉄剤などが該当します。

薬の中止や変更、併用薬の調整で改善することがあります。

ストレスや自律神経の乱れが原因で腸が過敏になり、スムーズな排便ができなくなるタイプです。
便が細切れになったり、便秘と下痢を交互に繰り返すのが特徴です。

仕事や学校など、緊張する場面で症状が悪化することも多く、心身両面のケアが必要です。

便秘の改善において、最も基本となるのが日々の生活習慣の見直しです。

食物繊維の摂取、水分補給、毎日の適度な運動、規則正しい食事や排便習慣の確立が重要です。
例えば朝食後にトイレに座る習慣をつけるだけでも、腸が刺激され排便しやすくなります。

患者さんのライフスタイルに合わせて、無理のないアドバイスをご提案します。

便の水分量を増やしてやわらかくする薬（浸透圧性下剤）、腸の動きを促す薬（刺激性下剤）、腸内環境を整える漢方薬や整腸剤など、さまざまな選択肢があります。

市販薬を長期間使用している方は、かえって腸の働きが鈍ってしまっていることもありますので、一度ご相談ください。

必要に応じて、血液検査・腹部レントゲン・腹部超音波などを行い、病気が原因となっていないかを慎重に見極めます。

特に40歳以上で「便秘が急に悪化した」「便に血が混じる」などの変化がある場合は、早期に検査をおすすめします。